作品情報
ライ麦畑で出会ったら
(原題:Coming Through the Rye)
- 製作:2016年/アメリカ/97分
- 監督・脚本:ジェームズ・スティーヴン・サドウィズ
- 出演:アレックス・ウルフ/クリス・クーパー
- 撮影:エリック・ハート
- 編集:トッド・ホームズ
予告編
レビュー
こんにちは、こんばんは。
臘月堂、主人の南(@lowgetsudou)です🌙
「サリンジャー に出会うまでのシーンは85%事実だ」
「だが、サリンジャー に会ってからのシーンは99%事実だ」
とジェームズ・スティーヴン・サドウィズ監督自身が語る、実体験を元にした青春ロードムービーです。
兄弟の絆、愛する人の喪失、心の傷からの解放をサブテキストに忍ばせた脚本が
『スタンド・バイ・ミー』や『普通の人びと』を思わせホロリ。
『ウォールフラワー』や『ものすごくうるさくてありえないほど近い』なども近い主題ですが、
今作はそれらの作品に比べて目立つユーモアが、いっそう悲哀を際立たせています。

主人公が『キャッチャー・イン・ザ・ライ』の舞台化を実現しようと熱心なのは、
自分のためだけじゃなかったと分かる展開は胸が熱くなります。
「仲間や大事な人が道を踏み外すのを止めたい」
「この作品を広めることで、そう考える人が増えてほしい」
ホールデンの魂の本質は
常識にNOを叩きつける事でも、
ドロップアウトを肯定する事でもなく、
誰かを守ること。
それを地で行く主人公の根性と執念に賛辞を!
後半のクライマックスで
(横断歩道のBGMでおなじみ)
ロバート・バーンズ作詞の「Comin Thro' the Rye」が流れる演出も切なさを掻き立てます。
ところで
『アメリカンビューティー』
『遠い空の向こうに』
『雨の日は会えない、晴れた日は君を思う』
などもそうですが、
クリス・クーパー以上に「気難し屋の中年男性」が似合う俳優はいない!
コメント