映画『エブリデイ』インディーポップが彩る切ない青春ファンタジー

映画

こんにちは。臘月堂(@Lowgetsudou)です。

今日は『エブリデイ』の話。

作品情報

エブリデイ

(原題:Every Day)

  • 製作:2018年/アメリカ/95分
  • 監督:マイケル・スーシー
  • 出演:アンガーリー・ライス/ジャスティス・スミス
  • 原作:デイヴィッド・レヴィサン『エヴリデイ』
  • 脚本:ジェシー・アンドリューズ
  • 撮影:ローヒエ・ストファース
  • 編集:キャスリン・ヒモフ
  • 音楽:エリオット・ウィーラー

予告編

あらすじ

主人公は少女リアノンと、さまよう霊魂の二人。

この霊魂は24時間ごとに別の人間に乗り移り、毎日違う人間として過ごす宿命を背負っている。

誰に乗り移れるかは自分で選べない。

ジャスティンという少年に乗り移った日、彼はジャスティンの恋人リアノンと出会った。

初めて恋に落ちた霊魂はリアノンに自分の状態を必死で説明し、ようやく彼女の信頼を得る。

霊魂は優しく、思いやり深く、穏やかな人格者で、リアノンも次第に彼に心を惹かれていく。

毎日違う人間の姿で現れる霊魂と、普通の人間。

彼らの恋の前には、やがて厳しい現実が立ちふさがるのだった。

レビュー

This is the day, Your life will surely change.

(君の人生が変わる。今日がその日なんだ)

This is the day, When things fall into place

(すべてうまくいく。今日がその日なんだ)

The The "this is the day"

『ナイスガイズ!』での好演で気になっていたアンガーリー・ライス主演作をAmazon Primeで見つけ鑑賞。

「人の価値は外見でなく心の美しさで決まる」

古くからおとぎ話で語られてきた普遍的な道徳観だ。

『美女と野獣』で有名なボーモン夫人の童話集などを紐解けば、そのメッセージが何度も提示される。

とは言え、簡単に言うほどには実行できないのが人間の悲しい性だ。

『エブリデイ』はローファンタジーのラブロマンスという形式をした現代版のおとぎ話で、主人公は他人を見た目で判断しない人間の究極形みたいな女の子。

もう一人の主人公である霊魂の、人柄の高潔さに純粋に惹かれた彼女は、彼が毎日どんな姿で現れても深く愛し続ける。

さまよえる魂である彼が乗り移るのは、本当に多種多様な人々。

男の子、女の子、白人、黒人、アジア人、痩せた子、太った子、目に障害を持つ子、体の性と心の性が一致しない子、そして心を病んで自殺を考えている子。

つまり人種やセクシャルマイノリティーを始め、社会的な議題もテーマに含まれている。

「普遍的な人生訓を、押し付けがましくなく、楽しい物語として提示する」

それが童話の役割で、『エブリデイ』はその面でも成功した作品だと言える。

形式的な話をすると、本作と似た設定として、「入れ替わりモノ」物語は数え切れないほど作られてきた。

古くは『とりかへばや物語』に始まり、『転校生』『君の名は。』『椿山課長の七日間』『おもいでエマノン』『あさっての方向』『ココロコネクト』『メイン・イン・キャット』『累 -かさね-』『ジョジョ5部』の終盤。

ざっと思いつくだけでもこれだけある。

本作はこれらと違い、「一つの魂が色んな人物の肉体に入り込み、引っ越しを繰り返す」という設定がユニークだ。

二人の不思議な恋愛模様を根幹としながら、ワンアイデアで「この設定の人物あるあるネタ」の枝葉をところどころに伸ばす構成が飽きさせない。

切ないラストシーンも含めて『バタフライ・エフェクト』などの空気が好きな人はきっと気に入ると思う。

音楽もまた特筆すべきポイント。

劇中で流れるのは、冒頭のFuture islands “shadows”に始まり、Elliott Wheelerのスコアを軸に、BØRNSYoungrBleachersなど、インディーポップ楽曲がメインになっている。

コーラスエフェクトや、薄くかかったリバーブ/ディレイの施されたきらめくクリーントーンのギターに、アップテンポな曲調と80年代を思わせるシンセサイザー。

これらが切なくみずみずしい青春物語を彩っている。

『ウォールフラワー』『(500)日のサマー』などの音楽が好きな人にもぜひオススメしたい一本だ。

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