映画『イントレランス』レビュー

映画

作品情報

イントレランス

(原題:Intolerance)

  • 製作:1916年/アメリカ/180分
  • 監督:D・W・グリフィス
  • 出演:リリアン・ギッシュ

レビュー

 

こんにちは。臘月堂(@Lowgetsudou)です。

「不寛容」を意味するタイトルの『イントレランス』では異なる4つの時代の出来事が並行して描かれます。

グリフィスはそれら複数の筋書きの中に、共通のテーマとメッセージを込めました。

「いつの時代も人間の不寛容が戦争と悲しみを生んできたのだ」

「平和を勝ち取るのは不寛容ではなく、愛なのだ」

と。

前年に発表した『國民の創生』は大成功したものの、一部の地域で「人種差別的だ」として上映禁止になるなど、非難も少なくありませんでした。

グリフィスは非難する人びとに憤り、『イントレランス』製作に着手します。

KKKを礼賛して黒人差別を助長した張本人が

「不寛容だ!」

という指摘に対し

「不寛容を認めないなんて不寛容だ!」

と逆ギレしたわけですね。

『國民の創生』でもうけたお金をつぎこみ作られた本作。

意気込みのあまり4つもストーリーをぶっこんだわけですが、

テーマを語るには事実上、現代アメリカを舞台にした『母と法律』篇だけで必要十分。

他の3エピソードは登場人物や人間関係の掘り下げが浅く、どうにも蛇足感が拭えません。

グリフィス本人は

「はじめはバラバラだった物語の河が、次第に合流し、最後には一つの大きな感動の奔流となり大団円を迎える」

と語ります。

ウーン、、どうだろうか!

あれもこれもやろうとして要素が多くなりすぎ、散漫な出来になってる感が否めません。

何をやるにも、一点集中する事こそが素晴らしい結果を生むための必須条件。

常々そう思ってるんですが、その考えがますます強まる作品でした。

とはいえ新バビロニアの首都バビロンを再現した舞台セットはなるほど豪壮華麗で途方もなくスケールが大きく、圧倒されます。

衣裳のきらびやかさや、攻城塔など巨大兵器を投入した戦闘シーンもなるほどカッコよくワクワクしっぱなし。

それに終盤。

汽車と自動車がレースを繰り広げるシーケンスのスピード感は緊張感に満ち満ちて、

現代映画のカーチェイスに全く見劣りしないどころかいっそう体感速度が速く感じるくらい。

「間に合うか。。!間に合わないのか。。!」

とサスペンスを際立たせるクロスカッティングもすでに手法として完成されており、

撮影・編集技法の先駆というだけでなく、出来のレベルまで一級品。

テーマの掘り下げが甘いことはいったん忘れて、

アクション娯楽大作として観るべきと自分は考えます!

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