映画『ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命』レビュー

映画

こんにちは、こんばんは。

臘月堂、主人の南(@lowgetsudou)です🌙

今日は『ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命』の話。

作品情報

ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命

(原題:Jackie)

  • 製作:2016年/アメリカ・チリ/95分
  • 監督:パブロ・ラライン
  • 出演:ナタリー・ポートマン/ピーター・サースガード/グレタ・ガーウィグ/ジョン・キャロル・リンチ
  • 脚本:ノア・オッペンハイム
  • 撮影:ステファーヌ・フォンテーヌ
  • 編集:セバスチャン・セプルベダ
  • 音楽:ミカ・レヴィ

予告編

レビュー

ラストのジャッキーのセリフ

「物語の英雄達は、時を超えて人々の記憶に刻まれる」

きっとこの後には

「ならば英雄になれなかった者たちの記憶は、誰が引き受けるというの?」

と続くのだろうな。

人間はすべて過去の恩恵を受けて存在する。

偉大な業績を残した先人たちに敬意を表するため、

歴史を編集し、飾り立てるのは自然な営みだ。

一方で大多数の人間は、歴史に名を残すことなく忘れられていく。

「だからと言って、勝ち組によって編集された歴史だけを歴史とあがめ、忘れられゆく者たちの事を、あたかも無かったかのように済ませるのはおかしいんじゃない?」

そんな普遍的なメッセージを伝えるために、たまたま「ケネディ夫人の伝記」という方法を用いたように思えた。

ラストで埋葬される子供たちは、2人とも死産だったり、生後すぐに亡くなったりで、そのままだと誰からも忘れ去られるだけの存在だったはず。

その彼らの葬儀シーンをわざわざ使ったのは、2つの理由があるように思う。

「自分の子供だから」というジャッキーの個人的な心情、そして「無意味に死んでいった存在を、無かった事にする社会に未来はない」という意思だ。

同年公開の『メッセージ』も同じく「儚く散った過去への敬意」がテーマだったのが印象深い。

決して「すべての生に意味がある」などという安っぽいヒューマニズムで済まさないところに好感を持った。

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