映画『失われた週末』レビュー

映画

作品情報

失われた週末

(原題:The Lost Weekend)

  • 製作:1945年/アメリカ/101分
  • 監督:ビリー・ワイルダー
  • 出演:レイ・ミランド/ジェーン・ワイマン
  • 原作:チャールズ・R・ジャクソン
  • 脚本:チャールズ・ブラケット/ビリー・ワイルダー
  • 音楽:ミクロス・ロージャ

予告編

レビュー

こんにちは。臘月堂(@Lowgetsudou)です。

アルコール中毒の売れない作家が

「酒…さけ…酒…!」

と苦しみ抜く姿を延々と見せつける映画。

あぶら汗でベトベトになり、正気とは思われない目で酒を求めふらつくレイ・ミランドは、この演技でアカデミー主演男優賞を受賞しました。

真っ暗な部屋、夜の街角、コートなど黒を強調した映像がドンのお先真っ暗な現状をよく物語っています。

ただ個人的ベストシーンは夜でなく白昼。

商売道具のタイプライターを酒代に変えるため、ギラつく太陽の下を千鳥足で徘徊するドンは完全にゾンビです。

またテルミンがフィーチャーされた不穏なスコアも、アルコールでぐちゃぐちゃになった彼の脳髄そのもの。

さらに、短いエピソードを連結させた構成の脚本も観る側の集中力を切れさせません。

ドンが幻覚に見るネズミは

「おやまあ『ベン』だ、『スチュアートリトル』だ」

と思わせる可愛さですが、こいつの最期がなかなかにグロい。

それを目の当たりにしたドンの『サイコ』に負けない凄絶な叫びはもはやニューロホラーと言えましょう。

ラストシーケンスで壁に映りこむ雨だれはさりげなくも素晴らしい演出。

主人公が今まで重ねてきた失敗を洗い流し、再出発を讃えるかのように見えます。

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