映画『沈黙ーサイレンスー』レビュー

映画

こんにちは、こんばんは。

臘月堂、主人の南(@lowgetsudou)です🌙

今日は『沈黙ーサイレンスー』の話。

作品情報

沈黙ーサイレンスー

(原題:Silence)

  • 製作:2016年/アメリカ/159分
  • 監督:マーティン・スコセッシ
  • 出演:アンドリュー・ガーフィールド/アダム・ドライバー/キーラン・ハインズ/リーアム・ニーソン/浅野忠信/窪塚洋介/イッセー尾形/塚本晋也/小松菜奈/加瀬亮/笈田ヨシ
  • 原作:遠藤周作『沈黙』
  • 脚本:ジェイ・コックス/マーティン・スコセッシ
  • 撮影:ロドリゴ・プリエト
  • 編集:セルマ・スクーンメイカー

予告編

レビュー

『冬の光』『処女の泉』を思い出す。ベルイマン監督ならどう撮ったんだろう。

『ハクソー・リッジ』で狂信的プロテスタントを演じたアンドリュー・ガーフィールドが、今作で演じるのは狂信的なカトリック教徒。

残虐な描写は両作に共通するが、

前者では「盲信が他者の命を救う」尊さが描かれ、

後者では「盲信が他者の命を奪う」可能性について描かれる点で大きく違う。

同時に、信仰にこだわりを持たない人物として演出される幕府の役人たちはもっとコワイ。

「俺たち、いちおう役人だし?お上の言いつけでキリシタン?取り締まらないとなんないわけ」

「形だけでいいからさ。ほら、その絵、踏んじゃいなよ。楽になっちゃえよ」

政治的・宗教的な立場は無関係に、優秀なサラリーマンであれば仕事と割り切ってどんな残酷な暴力でもふるえてしまう。

ホロコーストで悪名高いアイヒマンと同じ"悪の凡庸性"には、『アルジェの戦い』のジャン・マルタンや『イングロリアス・バスターズ』のクリストフ・ヴァルツが演じた人物像と近いものを感じた。

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