こんにちは、こんばんは。
臘月堂、主人の南(@lowgetsudou)です🌙
今日は『ザ・ギフト』の話。
作品情報
ザ・ギフト
(原題:The Gift)
- 製作:2015年/アメリカ/108分
- 監督・脚本:ジョエル・エドガートン
- 出演:ジェイソン・ベイトマン/レベッカ・ホール/ジョエル・エドガートン/アリソン・トルマン
- 撮影:エドゥアルド・グラウ
予告編
レビュー
「お前が過去を忘れても、過去はお前を忘れない」
という主題や、"奇妙な贈り物"を使ったスリラー展開がミヒャエル・ハネケ『隠された記憶』とよく似てて気持ち悪い。
「不審な男を家に招き入れてしまう夫婦が主人公のホームインベイジョン映画」という点は『ファニーゲーム』にも通じる。
『聖なる鹿殺し』や『クリーピー』っぽさもある。ああ気持ち悪い!
奥さんが疑心暗鬼に駆られる中盤の展開やラストは、監督本人が明言している通り『ローズマリーの赤ちゃん』へのリスペクトに溢れている。
同じくポランスキーの『反撥』の影響もあるんじゃなかろうか。
今作や『ヒメアノ〜ル』『ミスティック・リバー』など、「昔の友達との拭いきれない確執」を扱った映画を観るとズドーンと気分が落ち込むが、私の場合それがたまらなく快感なのだ。
(同じ主題ながら元気が出る『T2』などもある)
『ザ・ギフト』はスリラー演出として、色彩設計や照明の使い方も見どころ。
冒頭からワインが夫婦の元に贈られてきたり、ゴードの家の電気スタンドや車のテールランプの色だったり、一貫して「不吉な出来事を予兆させる赤」をさりげなく劇中に紛れ込ませる演出が巧みだ。
観客にあからさまに気づかせず、潜在的に不安にさせる仕掛けとして存分に機能している。
それからゴードという名前はGODを想起させるが、神よりも神に背いたサタン = ルシファーに近い。
主人公夫婦をアダムとイブに例えるならば、ゴードはサイモンを憎み嫉妬する悪魔なんじゃないか。
そう言えば『ローズマリーの赤ちゃん』も(以下反転)
「ミア・ファローが産み落としたのは悪魔だった」
ってオチがつく。
序盤の食事シーンの気まずさも最高だったなあ。
映画の「腫れものに触るような団らん」シーンが大好きなので、どなたかオススメ頂けたら嬉しいです。
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